会社の辞令で日本国内を移るとき:転勤と、家族と離れて暮らすこと

更新: 2026-09-20

まずはひとことで

GetConnectedJapan の案内役ミヤが、自宅でノートパソコンのビデオ通話に向かって手をふっている様子。
こんにちは、ミヤです。仕事で日本国内を移ることになっても、夜のビデオ通話があれば家はちゃんと近くにいてくれます。

こんにちは、ミヤです。「会社から日本の別の地域への異動を言われました」というご相談は、私がいちばんよく一緒に読み解いているメッセージのひとつです。日本の国内異動、いわゆる転勤(てんきん)は、お願いというより決定として届くことが多く、外国人住民の方がまず知りたいのは「どこまでが自分で決められる部分なのか」というところだと思います。

短くお答えすると、赴任先と時期は会社が決めることがほとんどで、あなたに相談の余地があるのはその周りの段取りです。住まいをどうするか、引越しそのものをどう扱うか、そして家族も一緒に移るのか、単身赴任(たんしんふにん)として自分だけ先に行くのか。会社が何を用意し、何を支援するかは、その会社の社内規程とあなたの雇用契約によって完全に決まりますので、ここに書くことはあなたのケースの予測ではなく「聞くべきことの地図」として読んでください。内示のこと、人事との話し合い、家族の決断、二つ目の家、そして引越し後に役所へ出す届出と、入管に伝えるべきこと・伝えなくてよいことまで、順に見ていきます。

内示はどう届くのか、そして動かしにくいのはどこか

多くの日本の会社では、異動の知らせは二度届きます。最初が内示(ないじ)で、上司や人事から非公式に伝えられ、正式発表までは口外しないよう求められることも少なくありません。次に辞令(じれい)が出て、新しい勤務地と着任日が正式に決まります。この二つの間隔はゆったりしていることもあれば、かなり短いこともあり、実務的な判断のほとんどはこの期間に行われます。

そもそも会社が異動を命じられるかどうかは、あなたの雇用契約と就業規則によります。勤務地の変更を会社が命じられる条項が入っている契約は多く、一方で勤務地限定の働き方として、勤務地が合意で固定されている契約もあります。受け入れるにせよ相談するにせよ、まずは自分の契約書と就業規則を読んでください。同僚の経験はあなたの条件の証拠にはなりませんし、同じ会社の中でも人によって条件は違います。

実際のところ、赴任先そのものと異動の有無はいちばん動かしにくく、着任日や引き継ぎ、住まいの手配には調整の余地があることが多いです。聞くこと自体は失礼ではありませんし、辞令が出たあとに相談するより、早い段階のほうがずっと動かしやすいです。子どもの学年、進行中の治療、パートナーの契約など、時期に関わる事情があるなら、ほのめかさずに早めにはっきり伝えてください。

荷造りの前に、人事へ確認しておきたいこと

いちばん幅が大きいのは住まいです。社宅や借り上げ社宅に入るのか、それとも自分で物件を探すことになるのかを確認しましょう。契約者は誰か、保証人はどうなるかも聞いておくと、自分に回ってくる手続きの量が見えてきます。今住んでいる家をどうするか、解約が前提なのか、会社名義ならその手続きは誰がやるのかも、あわせて確認してください。

次に引越しそのものです。引越し業者は会社が手配するのか、自分で頼んであとから精算するのか、着任時の移動はどこまで対象か、住まいが決まるまでの仮住まいはあるのか、家族のもとへ帰る交通費はどう扱われ、どのくらいの頻度まで想定されているのか。金額はここではあえて一切書きません。支援の内容は会社によってまったく違い、あなたに当てはまる条件を答えられるのは人事だけだからです。

答えは、口頭で聞いたあとに自分の言葉で確認メールを送るだけでもいいので、文字に残してください。家族が最初からではなく後から合流する場合に何が変わるのかは、特に具体的に聞いておきましょう。家族帯同とも単身赴任とも違う扱いになることがよくあります。そして赴任先での窓口になる担当者の名前を聞いておくこと。名前がひとつ分かっているだけで、何週間も節約できます。

家族で移るか、ひとりで行くか

単身赴任とは、家族はそのままの土地に残り、自分だけが赴任先へ行くことです。日本では専用の言葉と生活のリズムができるくらい一般的で、選ぶことも選ばないことも、家族を大事に思っているかどうかとは関係ありません。みなさん、学校、仕事、介護、そして赴任がどのくらい続く見込みかで決めています。期間の見込みと、終わったあとどうなるのかは、ぜひ聞いておいてください。二年の赴任と期限のない赴任は、まったく別の判断になります。

子どもについては、日本の学年は四月から三月までなので、年度の途中での転勤はそのまま年度途中の転校を意味します。公立校の転校は市区町村の教育委員会と学校を通した手続きになり、前の学校から受け取る書類が必要です。高校への進学は地域ごとの制度と入試に結びついているため、中学の最後の学年は特に動きにくい時期になります。インターナショナルスクールに通っているなら、問題はシンプルに「赴任先に同等の学校があり、空きがあるか」です。思い込まず、直接問い合わせてください。

パートナーについては、仕事と在留資格の二つを確認します。働いている場合、引越しは退職か、自分自身の勤務地変更の相談を意味することが多いです。在留資格が特定の勤務先と結びついているなら、転職には転職なりの手続きがあります。家族滞在の在留資格で資格外活動の許可を得て働いている場合は、引越し後も同じ状態がそのまま続くと決めてかかる前に、入管の公式情報で現在の条件を確認してください。

いつのまにか二つになる家

単身で行くなら、暮らしに必要なものを二つずつ抱えることになります。光熱費も二軒分、台所の基本的な道具も二組、インターネットの契約も二つ、郵便物が届く場所も二か所です。借り上げ社宅は家具なしのこともあるので、冷蔵庫があるものと思い込まずに確認しておきましょう。郵便局には引越し後の一定期間、郵便物を転送してくれるサービスがあります。最初の一通を取りこぼしてからではなく、出発の手続きのうちに申し込んでおくのがおすすめです。

みなさんが見落としがちなのは費用よりも「段取り」のほうです。家が二つあるということは、ごみの収集日が二種類、学校からのお知らせが二系統、予定も二組あって、けれど体はそのうち片方にしかいない、ということです。私が話を聞く家族の多くは、移動する週末のパターンと、長く話す夜を決めて、固定のリズムに落ち着いていきます。毎週その場で決め直すのが、いちばん消耗するからです。

長距離の移動は、できるだけ早めに予約してください。往復にかかる時間を差し引くと週末に何が残るのかも、現実的に見ておきましょう。それから、どちらがどの手続きを持つかを決めておくと楽になります。家族のいる側の学校と役所は一方が、新しい住所まわりはもう一方が担当する、というように。

外国人住民として、引越し後に出す届出

日本国内の引越しは、二つの市区町村役場に行くことを意味します。今の住所の役所に転出届を出し、新しい住所の役所に転入届を出す。転入の届出は、原則として引越してから十四日以内です。同じ市区町村内での引越しなら、代わりに転居届になります。中長期在留者なら、在留カードの裏面の住所変更も同じ窓口で行います。入管ではなく、市区町村の窓口です。

時間を取られるのは、そのあとに続く手続きのほうです。国民健康保険や年金の記録は住民登録についてきますし、マイナンバーカードの住所も変更が必要です。運転免許証の住所変更は警察の窓口で、子どもの転校は教育委員会を通します。銀行、保険、それに会社の登録情報も、それぞれ別に伝える必要があります。自動的に引き継がれるものはありません。

入管への届出は別の流れです。出入国在留管理庁への届出は「所属機関」に関するもの——勤務先が変わる、勤務先の名称や所在地が変わる——であって、あなた個人の住所についてのものではありません。そのため、同じ会社の別の拠点への異動では届出が発生しないことも多いです。ただし「多い」は「いつも」ではありませんし、要件は変わることもあるので、最新の公式情報を確認するか、外国人在留支援の相談窓口に聞いてください。単身で行く場合は、住民登録をどちらの住所ですべきかも役所に確認を。その答えが保険や学校の手続きにつながっていきます。ここに書いたことは法的な助言ではありません。

家は二つ、回線はひとつ

ここまでのすべてが、静かにスマホの上で動いています。会社の席から予約する金曜夜の列車、子どもが寝る前に合わせたビデオ通話、月曜までに返事が必要だからとパートナーが送ってくる学校のプリントの写真、着いたばかりの街で、行ったことのない区役所までの地図。二拠点の暮らしは、モバイルデータと、日本の手続きで求められる日本の電話番号の上に成り立っています。

電話番号がまだなら、そこは私がお手伝いできるところです。楽天モバイルなら在留カードでオンラインから申し込めて、お使いのスマホが eSIM に対応していれば、その日のうちに使いはじめられることが多く、手続きはだいたい十五分ほどです。このサイトには手順を追って説明した設定ガイドがありますので、申し込む前に公式のキャンペーンページで最新の条件を確認してくださいね。そうすれば家族との通話は一週間の当たり前の一部になって、あなたは引越しそのものに力を使えます。